「秘密…あるって言ったら?」


少し考える素振りを見せ、笑う彼。


「どんな秘密でも受け入れます!
結婚してる、とかはさすがにショックですけど!」


そんな事を言ってくれる彼に心が揺さぶられる。
言ってみようか?
それで嫌われても、今なら無かったことに出来る。


「……居酒屋で話すね。」


そう言って足早に店へと向かった。


それから何度も電話が鳴り続けた。
きっと帰りが遅いのでまた家に居て電話してきてるのだろう。


居酒屋でお互い乾杯し合った後、私は携帯を彼の前に出した。


「この着信の相手は元彼で、今恐らく私の部屋にいる。」


「…一緒に暮らしてる、という事ですか?」


首を横に振って、全部話した。


二股をかけられていて別れた事。
その後も流されて会っていたこと。
別れを切り出しても受け入れてもらえない事。