その後、自販機でコーヒーを買って椅子で並んでいると、沢山の人が彼に話しかけてきた。
必ず私は不思議そうに見られるのが辛かった。
同い年くらいの子なら不思議でもなんでもないんだろうな…


仕事も終わって、彼と近くのコンビニで待ち合わせて飲み屋まで歩いていると、携帯が鳴った。


あまり鳴らない電話に思わず緊急だと思い画面を見ると、


”孝也”


なんで?


思わず足を止めて固まってしまった。


「どうしました?」


不思議そうに近寄る彼に思い切り携帯を隠した。



「………………。」


そんな私に傷ついたような悲しいような顔をする彼に口からスルリと、ごめん…と出た。


「何で謝るんですか?
隠したから?相手が男だから?」



黙る私に、優しく声をかける。


「…別に付き合ってるわけでもないから誰から電話が来ても問い詰めるなんてしません。
でも、そんな顔で隠されると、秘密があるのかな。って気になります。」