俺と由波がキスするまで部屋を出るなと言った両親たち。
いくら何でも、こんな個人の気持ちが関係して来るとこまで強制されるのは流石にイラつきを覚える。
第一、由波は絶対に嫌がると思う。
はぁ...両親にはほんと呆れる
「ねえ、翠」
珍しく由波から声がかかる
「キス、する?するなら早くしてこの部屋から出ようよ」
少し顔を赤らめて言う由波。
まさか由波がこんなこと言って来るなんて意外。もっと嫌がるかと思ってた。
「いや、それは流石に...」
「なにそれ...この部屋から出れなくてもいいの?」
「両親たちこの部屋にいないから、キスしましたって言って出て行ったらよくないですか?」
「...あっそ、ならそうしよ」
なぜかすごい怒ってる由波。
まさか俺とキスしたかったとか!?
いやそれだけはありえないだろ...
「由波さん、怒ってます?」
「怒ってない」
「何かあるなら言ってください」
「だから、怒ってないって!早く行こ!」
いやいや、こんな由波が怒ってる状態で外に出たら両親がキスしたって信じるはずがない。