マーティーはいつも僕を笑わせてくれる。僕は秘密と言うものはあまりないがそのすべてをマーティーには話しているだろう。「ジェフ、今日は泊まっていくだろ?」「そうしようかな」僕たちは色んな話をした。マーティーが話す女の子の話。ルーカスのこと。ケイシーのこと。彼と話すと楽しくて話が止まらない。夜通し話し合った。
 マーティーと朝学校へ行くのは楽しい。一人じゃないってよくわかる。マーティーが僕に小声で話しかけてきた。うまく聞き取れなかったがにやにやしているところを見ると最近気になっていると言っていた女の子だろうか。しかし、その推測が間違っていると知るのはほんの数秒のことだった。彼から目を離し前を見るとケイシーがいた。「ケイシー!」焦った。僕の口から大きな声で彼女を呼んでしまうなんて。いやいや、そんなはずがない。声の主は僕の幼馴染みだ。彼女は振り向き僕らに気づく。いい解釈のしすぎだろうか。きっと彼女が気づいたのはマーティーだけだ。「おはよう、マーティー。そして、ジェフ」その瞬間僕は耳が遠くなったかのようにマーティーと彼女が話す会話が聞こえなくなった。彼女が僕を覚えていてくれたことが本当にうれしかった。言葉では表せないような気持ちだ。さあ、ここからだ。わたがしのようにふわふわしていた僕。もう一人の登場人物を目にするとコーラがかかったように現実に戻される。それは彼女の恋人オーウェン。誤解を招く言い方であっただろうか。僕は単純に驚いた。これまた人気者のオーウェンがここへ来たこと。そして彼女の恋人であることに。