「用事ないでしょ?おいでよ。やさし~い石田センパイがおごってくれるってさ。ね、石田センパイ」

桃川さん、ニッコリと笑って言います。

というか!
笑顔がまぶしすぎるんですけど。

はぁ~……。まったくもって心臓に悪いですね。


「なんでオレが?」

「えー、ここらで後輩に恩売っといたほうがいいですよ」

「はぁマジかよ」

「ね、真由ちゃんも行こうよ」

ううっ。
おねだりするような表情で見られると、もうイエスしか言えません。

私は小さくうなずきました。

「よしっ。ねぇ、晴香ちゃんも行こうよ。フジも。オレと石田さんがおごるから、今日は」

「え、いいんですか!?」

「マジすか!」

晴香ちゃんも藤木くんも行く気満々です。

うん、そうですよね。
この流れからいけばフツー誘いますよね。

私だけ特別なワケではないのです。

はい、それくらいわかってます。
わかってますってば!