京王線のホームに着きました。

ちょうど、あと2分ほどで出発する快速が止まっていました。


今度こそホントにお別れです。

はい、さっきはウソつきました。
正直言うと、すごーく桃川さんと放れがたいと思っています。

わかってます。

きっとステキな方がいるヒトなので、好きになったって失恋しか道がないのです。

だから、好きにならないように努力します!
このキモチにはフタをしたいと思います。はい。


依然手はつないだままで、まだ私は電車に乗っていません。

「あーあ、もう出ちゃうね」

そんなさみしそうに言わないでください。

どうせどうせ、私を惚れさせようとして!
本心じゃないクセに。

桃川さんとつないでる手しか見ることができません。


あ!
発車のベルが鳴り始めました。

「じゃあね真由ちゃん」

私は桃川さんに押されるようにして電車に乗り込みました。

顔をあげると、ニッと飛びきりの笑顔を向けてくれてます。

うぅ、なんででしょう。
すごーく胸が痛くて苦しいです。


「駅に着いたらlineちょうだい」

私はうなずくだけで精いっぱいでした。