外には絵里さんと藤木くんが待っていてくれました。
他の方はもう先に帰ったのかもしれませんね。
というか。
手……。
離さなくていいのでしょうか。
「じゃっ、帰りますか!」
絵里さんの元気いっぱいの声。
絵里さん、私の知ってる限りず~っと呑んでたんですけど。
ザルという方なのでしょうかね。
というか、絵里さんも藤木くんも私と桃川さんが手をつないでること気づいてると思うのですが、特にふれることはありません。
はぅぅぅぅ。
ど、どうしましょう。手に汗をかいたら。
だってこんなふうに手をつないだこと初めてなんです。
めちゃめちゃキンチョーしてます私。
それにしても。
桃川さん、カノジョさんいると思うのに。
はっ!!
チャラ男さんにとって手をつなぐことぐらいどってことないのですね、きっと。
うん、そうですね。
きっとあいさつするぐらい軽いものなのですね、きっと。
「ん?」
はっ!
私がついつい桃川さんの横顔を見てたことを気づかれてしまいました。
不思議そうにこちらを見ますよ。
「い、いえっ。なんでもないですっ」
「そ?」
口笛でも吹きそうなくらい爽やかなカオをされています。
新歓コンパ/宴もたけなわ 終