「ねぇねぇ。そのワンピース、かわいいよねー」
ホッ。ハナシが逸れました。
それに私がフォローしなかったこと、ご本人は気にしてないみたいです。
ありさちゃん、私のワンピを見てます。
「ありがとう」
テヘヘ。嬉しいな。
「どこで買ったの?」
「あ、地元で」
「地元?どこ?」
「静岡です」
「え~そうなんだ!じゃあもしかしてひとり暮らし?」
「うん」
「いいなぁ。私ね、埼玉の加須(カゾ)ってところなんだけどー。あ、加須って知ってる?」
う~ん。
きいたことがあるような、ないような。
「だよねー」
首を傾げてると、ありさちゃんは同調してくれました。
「埼玉の上のほうなんだけどね。だーからさー、都内に出てくるまでに、チョー時間かかんだよね!」
ウチのお姉ちゃんみたい。
私のお姉ちゃんは、今は社会人なんですけど、大学時代、片道1時間半かけて通学してました。
加須から私たちの通う校舎までどのくらいかかるのかはわかんないんですけど、お姉ちゃんも大変そうだったから、ありさちゃんも大変なんだろうなきっと。