「真由ちゃんち、行ってもいい?」

「はいっ」

桃川さんがじっと私を見てきました。

ん?

桃川さんがコショコショ話するカンジで
耳元に顔を寄せて両手を当ててきました。

「どういうイミかわかってる?」

首をかしげると、

桃川さんは
「そういうこともしちゃうかもしれませんが
 よろしいでしょうか?」
とコショコショ言ったあとササッと離れました。

そういうこと?
どういうことでしょうか。

はっ!
えぇ!?

桃川さんを見ると、ニヤリンとします。

「やっぱりわかってなかったんだ」

「え!え!本気ですか!」

「さ~あね、どうでしょう?」

オトボケ顔ですま~したことを言ってます。

うう、どっちなんでしょうか。

桃川さんは私のアタマに手を置いて
やさしくナデナデしてくださいます。

はふ~、マジックハンドなのです。

「真由ちゃん次第、かな~?」

うう!

私次第っていうのもまた困った返答ですよね。

「大丈夫大丈夫」

そう言って、
私のアタマを本当にやさし~くなでてくださいます。


「とりあえず、ご飯食べようか」

「は、はいっ!」

「じゃあ、ボクの手料理を振る舞ってあげましょう」

「わ~やった~」

思わずバンザイしてしまいました。

桃川さんのご飯、大好きです。

う~ん、とりあえずご飯のあとのことはその時に考えます!

桃川さんはいつだって私の嫌がることは無理強いしない方なのです。
だからきっと大丈夫だと思うのです!


こうして私と桃川さんは浅草をあとにしました。

浅草とってもとってもとっても楽しかったな~。