私たちは歩き出しました。
「楽しめた?」
桃川さんは私の顔を覗き込んで訊いてきます。
というか!
まったくもって堪えていない様子です。
「はい。あれくらいで私はちょうどよかったです」
「そっか~。あれくらいでちょうどいいかぁ」
「はい。……桃川さんはどうでしたか?」
「え、オレ?う~ん正直言うと物足りないかな~」
確かに。
さっきの言動といい、表情を見れば一目瞭然ですね。
「じゃあやっぱり真由ちゃんは絶叫系苦手だね~」
「すごい苦手です……」
うううう。
私は何度も大きく頷きます。
自分でもわかるくらい表情が険しいです……。
「そだよね~。あとホラー系も苦手だよね?」
「はいいい」
桃川さんはニコッと笑って、
「だよね」
って同意してくれました。
そして、「よし、じゃあ次行こっ」って言うと、
私の手を引いてぐんぐんと歩いていきます。
はてはて。
すごくはりきっていますが、
どこに行こうとしているのでしょうか?