わわわっ!

目を開けると桃川さんが私の顔をじっと見ていました。


「たくさん願い事したんだねー」

「そ、そういうワケではありませんけどっ」

「5円しか入れてないのね」

クスッと笑われてしまいました。

むうううう。

「神様は太っ腹だからいいんですぅ」

「浅草寺は仏様だよ?」

ムッカー!

「わ、わかってますよ!
 とっさに出ただけです!
 観音さまです!知ってます!」

桃川さんはニヤッと企んだようなカオをしたかと思うと、
顔を寄せてきました。

「ムキになる真由ちゃん、かわいいな」

そうささやいてすぐさま離れました。


ムキョーーーーー。

もう!もう!もう!

デレるのです!

デレデレしちゃうのです、
そんなあま~いことばっかり言われたら。

はうう。


「そろそろお昼にしようか?」

「はいっ!」

昼食は、仲見世通りから少し脇に入ったところにあったおそば屋さんですませました。

はい、やっぱり江戸といえばおそばなのです!

とってもとってもおいしかったです、マル。



交際/浅草寺にて 終