本堂の前に立ちました。

さて、なんてお願いしましょうか。

桃川さんはなんてお願いするんでしょうか。

おお!

チラッと桃川さんのほうを見ると、
桃川さんもこちらを見てました。


「なんてお願いするの?」

おお!
以心伝心でしょうか。

おんなじことを考えて、私のほうを見ていたのですね。
ヒヒ。


「桃川さんは?」

「ヒミツ~」

なんですと!
人にきいておきながら!

「じゃ、じゃあ、私もヒミツ~」

むむっ。

桃川さんは「ふ~ん」とまるで私を試すような口ぶりです。

「絶対教えませんっ」


桃川さんはニヤッと笑うと、
「オレはね」
と言いながら顔を近づけてきました。

「真由ちゃんとずっと付き合えますように」

小声でそう言うと私から離れました。

ぎゃほーーーーー。

ほ、ほ、ほ、ほんとに!?

「ってお願いしようと思ってるんだ~」

桃川は私を見てニッと笑いました。

はい、桃川スマイル炸裂なのです!

ううう。
ステキすぎます。

そんなお方がそんなステキな願いごとをしてくださるなんて。

幸せモノですね、私は。


はい、
本当にこのお方と出逢えるために神さまは
恋愛運を貯金させられていたとしか思えませんね。

よし、まずはこの浅草寺の仏様にそのことを感謝しましょう!