「あの煙をかぶるとアタマがよくなるらしいよ」
桃川さんは本堂の前にある線香置き場を指差します。
そこには人だかりが出来ていて、
みんな自分の頭に煙を寄せています。
「そうなんですか~」
「真由ちゃんも少しは年相応になるんじゃない?」
桃川さんがクスッと笑いました!
ムムム!
「ひどっ!」
「ごめんごめん」
ムッカーーー!
明らかにウソだと分かる言い方をしました。
ムーカーツークーーーー!
ダンダン、ダンダン、地団駄ダンダンなのです!
「許しがたい事項です!」
ツーンとして言うのです、ツーンと。
うう、桃川さんが私をジトッと見てきます。
ムムム。
「だって、桃川さんが悪いんでしょっ」
「ハイ、そうでした~」
ぐっはーーーー。
桃川さんがアタマをナデナデしてきました。
もう!もう!もーーーー!
そんなことされたら、私は降参するしかないのです!
チッキショー!
「ま、オレらバカップルだもんね~」
桃川さんが私の顔を覗き込んできて、
「ね~」
と首をかしげながら同意を求めてきました。
ううう。
桃川さんにメロメロメロンパンなのです。
くううう。
そうして、私たちは仲良く
「頭がよくなりますように」って言いながら、
その煙を浴び合いました。
はい、バカップルなのです。
バカップルバンザイ!
あーもう!
リア充ライフステキすぎなのです。