桃川さんが抱きついてきました。

「シたいって、
 真由ちゃんの処女をいただきたいってことだよ、
 って言ったらわかる?」

しょ、しょ、処女~!?

さすがの私でもそれがどういうイミかは知ってます!

大人の階段を一歩上ったばかりの私が処女卒業ですか!?


「ム、ム、ム、ムリです!ムリですムリです」

「うん、そだよね~」

キュンッてします、桃川さんが耳元でささやくと。

「はい、ご期待にそえずにすみません……」

「うん、いいよ」

そう言うと、桃川さんが私の顔をのぞきこんできます。


「ねぇ真由ちゃん」

うう、桃川さんの瞳が真剣で、
まるで催眠術にかかったみたいに目がそらせないんです!

「は、はい」

「オレとそういうことするのはイヤ?」

「あ、いえ、その、あの」

「あぁ、ごめんね。
 今日は、ううん、今日もガマンすることを前提で訊いてるからね」

「あ、はい……。その、イヤ、ではないんです」

ぎゃああああああ。

顔から火を吹きます。
思わず両手で顔をおおいました。


「ありがと」

そう言うと、桃川さんは私を抱きしめてくれました。

「すみません、お待たせして」

「いいんだよ~。
 楽しみはさー、とっといたほうがいいっていうもんねっ」

「ありがとうございます」

「でも」

そう言いながら私の顔を見つめる桃川さんの顔が近づいてきます。
なので、目をつぶりました。