桃川さんは食器棚や流し台の下など一通りを開けてます。
「あ、ごめんね。調理器具なんかも確認しとかないとね、
それによって料理できるものも変わるからね」
あ、ナルホド!
「はいっ」
「よしっ」
食器棚の戸を閉めてから桃川さんは部屋に顔を出します。
「オレら買物してきます」
「おお」
石田さんの返事を聞きながら玄関へ向かう桃川さん。
ん?
オレら?買物?
「真由ちゃん買い出し行くよ~」
桃川さんは靴を履きながらニコニコしながら私を見てます。
「は、はい!」
あ、やっぱり。
私とふたりで行くんですよね!
「いってきます」
「石田さん!部屋漁らないでくださいよ~」
「さぁな~。わかんねぇぞ」
部屋の中から石田さんの笑ってる声が返ってきました!
「え~!」
石田さんが部屋からニヤニヤしながら出てきました。
「ウソだよ。住人がいない間にそこまではしねぇよ」
ホントかな~?
ジジジっと石田さんを見つめてみます。
「そんな顔するならホントにやるぞ。てめぇ」
「わー、ごめんなさい!」
「わかればいんだよ、わかれば」
フンッて鼻で笑われてしまいました……。
「じゃ、コイケンさん行ってきますね~」
「うぃ~」
桃川さんが部屋にいるコイケンさんに聞こえるように言うと
コイケンさんの気の抜けたような返事がきこえました。
そうして、私たちは買い出しへレッツゴーです。