ぎゃっ!
桃川さんと一緒に部屋に入ると、
石田さんがクローゼットを開けたり閉めたりしています。
「なにやってるんですか!」
「いやー、どうせこういうところに
物をテキトーに押し込んでるんじゃないかと思ってさー」
悪びれもなくケロッと答えましたよ!
「もうっ!」
当然、クローゼットを閉めました。
「ちゃんと片づけてることは伝わりましたー」
石田さんは降参のポーズをしてにんまりとしながら窓のそばに座ります。
あれ?
コイケンさんは?
キョロキョロすると。
あぁ、いましたいました。
コイケンさん、ベランダに出て外を眺めていますね。
「お!」
コイケンさんがなにかに反応しました。
「すげぇ、あのオネェチャン」
通りを歩く女性を指差しています。
「なになになにっ」
石田さんがニヤニヤしてコイケンさんのほうへ駆け寄りました。
「おぉ、マジすげぇ」
私と桃川さんは顔を見合わせてます。
「どうしたんですか?」
桃川さんもベランダに出て、私もそれに続きました。
「チョー胸がでけぇ」
コイケンさんは嬉々として言ってます。
そんなことですか!
んまーハレンチですね!
はっ!
確かにすごいです……。
その女性は胸を強調した服装をしていて
歩くたびにふさふさと揺れてます!
あれは私でも思わず凝視しちゃいますね!
「さ~って。観るか」
女性が見えなくなると、
石田さんはつまんなそうに大きく伸びをしながら部屋に入りました。