ん?どうしたんでしょうか。

石田さんが困ったようなカオをしてこちらを振り返りました。

「4人一緒は座れねぇって」

え?どういうことでしょうか?

コイケンさんがそちらに早歩きで向かうので、私と桃川さんもそれについていきます。


「席自体はとれるんだろ?」

そう言いながら、コイケンさんは石田さんの隣に並びます。

私と桃川さんはその後ろからのぞく形で立ちました。


『はい、2名ずつ2組に分かれる形でしたら』

受付のお姉さんがマイク越しに喋ります。


「あ、じゃあいいじゃん。石田とオレ、モモと真由ちゃんで」

え!?
マ、マジっすか!?

2人ずつで座るんですか!?
しかも、桃川さんと隣同士~!?

ひょえ~!


「だな。じゃあ、それで」

さして気にしない様子で石田さんが頷きながら、ガラス越しに受付嬢に伝えました。

『はい、ありがとうございます。別々にお支払いですか』

「いえ」

『7200円となります』

「あ、すみません。学割でお願いします」

『かしこまりました。では学生証の提示をお願いします』

「おい、学生証」

石田さんに言われ、一斉に学生証を見せます。


『ありがとうございます。では6000円になります』

石田さんは封筒に入ったお金から精算しました。