「も、もう捨てるから!ぜんぶ」



愛來は机のしたから箱を取り出す。



「なにそれ」


「智志くんとの思い出の箱」


「かせ」



俺は愛來からその箱を奪う。



「捨てるの?」


「うん」


「じゃあこれからは俺らの思い出を増やしてこ」



愛來の頭を撫でる。



「うん。星那のおかげで完全に吹っ切れたから」


「よかった」



ほんとに智志に奪われるかと思った。

人が人から奪ったことを喜んだから
自分がされるのかなって思った。


でも、ここにいる愛來はたしかに俺を好きでいてくれてる。

もう悩むことなんてない。


俺が間違わなければ
このままずっと一緒にいれる気がするんだ。


これが俺らの
最後の恋だから。