「……貸して。」


「えっ、はっ?おい日向お前何してんだよ!」


朔の口から日向くんの名前が聞こえてきて


今まで安心しきってた朔の腕の中から



「…この子は僕が運ぶから。」


一瞬でわたしの大好きな日向くんの温もりに包まれた

意識が朦朧としててもわかってしまう
好きな人の温もりってやつは…


ふわっと身体が浮くのがわかる



「いや、俺が運ぶから日向は教室で待ってれば…」


「……無理。雫に触れていいのは僕だけだから。」



「はぁ?お前何言って…」



「……簡単に他の男に触れさせるなんて許さない。」


日向くんが発した言葉で教室がシーンと静まり返った