―昨夜…
「お前っ、最低だなっ!!」
ガタゴトと大きな音を立てて、さっきまで隣りに居た井上は出て行った。
ふぅー…
大きくため息を吐いて、一瞬追いかけようかと考えたけど、そのまま放っておいた。
井上…今付き合っている彼になるのだが、彼は本ト、血の気が多くて困る。
今日だってそう。
たかだか、仕事で待ち合わせに遅れた…
それだけ。
それだけなのに。
ハタチ過ぎの女が、仕事中心に動いているなんて、信じられないとか言うんだもの。
『他に男が居るんだろ!!』
って怒鳴り狂う始末。
バカバカしくて、お話にならない。