翌日、半分寝ぼけながら出勤すると、さっそく武田さんが2人の新人を指導していた。
「おふぁようございます」
気の抜けたような挨拶をしながらタイムカードを押す。
8時50分。おぉ、なんと今日は10分前出勤に成功した。私だってやればできる。自分自身に拍手を贈りたい。
「高畑。こっちへ来い」
武田さんはいつものように時計をチラリと見てから、表情を変えずに私を呼んだ。
10分も早く出勤したのに、褒めてくれない。朝から凄く残念な気分だ。
「今日からこの部署に配属になった2人だ」
武田さんが紹介してくれたのは、新入社員の2人だった。
小柄でメガネをかけた女の子と、ひょろりとした今時風の男の子。
まず女の子が、「おはよう御座います!」と勢いよく一歩前に出てきた。圧が凄くて、私はさりげなく半歩下がった。
「澤井 環です。ブライダル専門学校出身です。わからないことばかりで、ご迷惑をお掛けするかと思いますが、これからよろしくおねがい致します」
澤井さんは深々とお辞儀をした。
ハッキリとした話し口調、凛とした表情、シャンと伸びた背筋。すごく真面目そうだ。
打って変わって、もう1人の新人はヘラヘラ笑いながら、首を突き出すような会釈をした。
(その瞬間、武田さんがピクリと眉を釣り上げたのを私は見逃さなかった。)
「奥村周平っす。よろしくお願いしまーす」
奥田とやらは、問題児臭がプンプンする。
ダラっとした立ち姿や、間延びした口調、前髪をいじる仕草……まるでやる気が感じられない。
他人のことをとやかく言える立場ではないが、コイツは中々ヤバそうだ。
「おふぁようございます」
気の抜けたような挨拶をしながらタイムカードを押す。
8時50分。おぉ、なんと今日は10分前出勤に成功した。私だってやればできる。自分自身に拍手を贈りたい。
「高畑。こっちへ来い」
武田さんはいつものように時計をチラリと見てから、表情を変えずに私を呼んだ。
10分も早く出勤したのに、褒めてくれない。朝から凄く残念な気分だ。
「今日からこの部署に配属になった2人だ」
武田さんが紹介してくれたのは、新入社員の2人だった。
小柄でメガネをかけた女の子と、ひょろりとした今時風の男の子。
まず女の子が、「おはよう御座います!」と勢いよく一歩前に出てきた。圧が凄くて、私はさりげなく半歩下がった。
「澤井 環です。ブライダル専門学校出身です。わからないことばかりで、ご迷惑をお掛けするかと思いますが、これからよろしくおねがい致します」
澤井さんは深々とお辞儀をした。
ハッキリとした話し口調、凛とした表情、シャンと伸びた背筋。すごく真面目そうだ。
打って変わって、もう1人の新人はヘラヘラ笑いながら、首を突き出すような会釈をした。
(その瞬間、武田さんがピクリと眉を釣り上げたのを私は見逃さなかった。)
「奥村周平っす。よろしくお願いしまーす」
奥田とやらは、問題児臭がプンプンする。
ダラっとした立ち姿や、間延びした口調、前髪をいじる仕草……まるでやる気が感じられない。
他人のことをとやかく言える立場ではないが、コイツは中々ヤバそうだ。