気がつけば、ゴールデンウィークが終わっていた。
「12連勤なんて……酷すぎる……ブラックだ……」
デスクに突っ伏して呟く。
世間さまがお休みの時こそ働かなくてはならない。それがサービス業のツライ現実。
大型連休は稼ぎ時だ。どこの部署も大忙しで、当然、休みなんてもらえるはずが無い。
この連休中、色んな部署のヘルプに回され、 とにかく毎日ボロ雑巾のようになるまで働かされた。
自分の仕事なんて手もつけられていない。
それ故、ゴールデンウィークが明けても、しばらくは休みなどない。
「武田さん、私そろそろ死にそうです……」
現在10連勤中だ。あと2日……耐えられるだろうか。
残業続きで、寝不足だし、体中痛いし、疲労が限界を超えて、もうシワシワのヨボヨボだ。
「人間、そう簡単には死なん」
そんな武田さんは現在13連勤中なのだが、信じられないほどピンピンしている。多分、鋼の精神と肉体の持ち主なのだと思う。
「やること多すぎて、何から手をつけていいか……」
ひんやりしたデスクに頬をくっつけながら、無意味にマウスをグリグリと動かす。
本音を言えば、何もしたくない。
「まず、本社に提出するアンケートの集計だ」
「あー、明後日までですよね……」
まだ1つも進んでいない。気が重くなる。
本社の人間は、現場のスタッフの方にもう少し配慮すべきだと思う。
こっちはゴールデンウィーク中、休みなく働いてるんだから、もっと猶予をくれたっていいじゃないか。