次第に、武田さんがくれるコメントが、日々のささやかな楽しみになってきていた。

もちろん、こちらが真剣に書けば、その分ちゃんと感想をくれたり、的確なアドバイスをくれたりする。

「私のメモ」を始めてからというもの、武田さんに対する苦手意識は無くなり、むしろ尊敬の念すら抱くようになった。

こんな出来損ないの部下を、見捨てずに育てようとしてくれている。それが、嬉しかった。

--武田さんに褒められたい
--武田さんに認められたい

不思議とそういう気持ちが芽生えてきた。

……といっても、人間そう簡単に変われるはずもなく、相変わらず、ヘマをしたり、お客様を怒らせてしまうことも多くて、武田さんには助けてもらってばかりだ。