「これ、全部いいんですか??」

何やら色々と入ったコンビニの袋は、今の私にとっては魅惑の福袋みたいなもんだ。美味しそうな匂いもするし。

「あぁ。今日は頑張っていたからな」

や、優しい……今日はどうしちゃったの。世界が滅びる前兆ですか?

「あ、ありがとうございます!」

「構わん」

「中身みてもいいですか!」

「そんな目を輝かせるほどのものではないぞ」

武田さんは、呆れたように言った。
私はワクワクしながら、コンビニの袋を漁る。

「サンドイッチ、菓子パン、焼肉弁当〜!!」

美味しそうだ。今すぐ食べたい。
(本当は焼肉弁当より唐揚げ弁当が良かったけど、それは言わないでおこう)

「こっちはデザートですか!? プリン、プチシュー、たい焼き、タピオカミルクティーまで……!」

幸せすぎるラインナップに、よだれが垂れそう……

「適当に手に取ってきたんだが、買い過ぎたな」

「いや、全然、全部食べます!! 大好物ばっかりです!! ほんとありがとうございます」

食べ物をくれる人は、無条件で「いい人」に認定だ。
いつも、クソ真面目な鬼上司とか思っててごめんなさい。

武田さんは、ハイテンションの私を見て、「飢えた犬みたいだな」と言って笑った。