外灯でぼんやりと照らされた従業員用駐車場。
一番奥の方に停めてあった武田さんの車は、黒のクラウンで、暗いところでも分かるくらい、ピカピカだった。

「お願いします……」

緊張しながら助手席に乗り込むと、エンジン音が鳴り、静かに車が進み出す。

沈黙が続く車内。
チカチカチカチカ……ウィンカーの音がやけにうるさく感じる。

ちょっと気まずい。
そう思っているのはおそらく私だけなのだろうけども。

「少し買い物に寄っていいか」

すぐ先には、煌々と明かりがついているコンビニが。

「はい、もちろん」

武田さんでもコンビニに行ったりするんだ。何買うんだろう?なんて考えているうちにコンビニに到着。

「高畑はいいのか?」

エンジンが止まっても、車を降りようとしない私に、武田さんは不思議そうに尋ねた。

「だ、大丈夫です!!」

と言いながらも、瞬時に色々な食べ物が頭の中を駆け巡る。

肉まん、おでん、おにぎり、唐揚げ弁当……

こんな時間だ。お腹は当然ペコペコに減っている。
更に、残業で疲れた体は、甘いものも欲している。

プリン、シュークリーム、ロールケーキ……。

買いたい物なんて山ほどあるし、さっきからお腹がぐぅぐぅ鳴っている。