お供えと花を買ったあたしたちは、また丘を目指し始めた。


太陽はオレンジ色に傾きだしている。


「なぁ。お前ら、自分の写真見てるか?」


ガサガサと買い物袋を片手に持って歩きながら、翔太がそう言って来た。



「写真?」


愛子が聞き返す。


「あぁ。あの時の集合写真」


その質問に返事をする仲間はいなかった。


それは肯定の意味にもとらえられた。


「あの写真に出て来たモヤ。人の顔に見えないか?」


渉の質問にあたしは小さく息を飲んだ。


みんなきっと気が付いていたことだっただろう。


だけどこうして質問されると、どうしても緊張してしまう。


あのモヤの正体が、丘の上で自殺をした誰かかもしれないのだ。