「本当だよ?」


理子が不思議そうな表情で彰を見てそう返事をした。


彰はヒクッと口元を引きつらせる。


「あの丘って、昔墓地だったろ」


「それなら知ってる。だけど、墓地なんていくらでもあるし――」


あたしの言葉を遮るように、彰は左右に首を振った。


「あそこはマジでやばいんだよ! 立ち入り禁止の看板だってあっただろ!?」


いつになく真剣な顔をしてそう言う彰に、あたしたちも立ち止まった。


古びた立ち入り禁止の看板を思い出す。


「だって、あんなのただの看板じゃん」


美津がそう言いながらも、顔色が悪くなっている。


彰のこの様子はなにか知っているとしか思えない。


「お前らなぁ……」


彰は青ざめたまま、呆れたようにため息を吐き出した。