「今からでも遅くないじゃん」


そう言ったのは愛子だった。


愛子は先頭を行く渉の後ろを歩いている。


「マジで? 仲間に入れてくれる?」


「そんな事聞かなくても、お前は仲間だろ?」


翔太がそう返事をして彰と肩を組んだ。


2人は同じくらいの身長だからちょうどバランスが取れている。


この光景も、悪くはないかもしれない。


だからと言って亡くなってしまった2人の事を忘れる事なんてできないけれど……。


「ってかさ、お前らどこで写真撮ったんだよ?」


「あの丘の上だよ」


見えて来た丘を指さして渉が言った。


その瞬間、彰の顔が固まった。


「へ? 嘘だろ?」


足を止めあたしたちを見回してそう聞いてくる。