「正直、ずっと気になってた」
「え……?」
「有希ちゃんと、連絡を取り合うようになってから、余計に気になりだした。最近は、毎日有希ちゃんに会いたいなあって、そればっかり考えるようになってしまって」
風見さんはすぅっと息を吸い込んで、少し間を取った。
真っ直ぐ交わる視線に、呼吸を忘れる。
続きを聞きたいような、聞きたくないような、もどかしい気持ちに襲われる。
「気づいたんだ。……有希ちゃんのことが好きだって」
眉を下げて控えめに笑う彼は、それはそれはかっこ良くて。
私は舞い上がるほど嬉しくて。
「もし、有希ちゃんも同じ気持ちだったら、俺と付き合ってくれないかな?」
「も、勿論っ!私で良ければ」
喜んで、と口にした瞬間には、既に抱きしめられていた。
私はミルクティがこぼれてしまわないかヒヤヒヤした。
「やばい!めっちゃ嬉しい!」
気付けばホームには人が増えていて、私達をヒューと冷やかす人達もいた。
恥ずかしいと思いながらも、目には嬉しい涙が溢れてた。
「有希ちゃん、好き」
「私も……」
「キス、してもいい?」
「は、恥ずかしいよ!明日ね!」
いよいよ周りの生暖かい目線が気になってきた私は、さらりと逃げた。
しゅんとする風見さんに、愛おしさがこみ上げる。
明日はデートだ。
朝一緒に缶コーヒーを飲む姿なんかを思い浮かべて心が躍った。