90点、これがこんなに恨めしいなんて。
合格点はばっちり取ってるし、90点代にのれば何の問題もないのに、
「98点、僕の勝ちだね」
なんて満面の笑みで喜んでいる隣の席の宮野くん。
勝負したらまさかの敗け。
「な、なんでぇ」
「不合格だったやつ、立てや」
がっくりと肩を落とす私の前で席を立ったゆいりんは今日は不合格になってしまったよう。
「お前ら何やっとんじゃ、受験に向けてしっかり勉強しろや」
長々と怖い説教がスタートした。
その間立たされていない生徒達はコソコソと周りの席の人と喋る。
「清水さんに何頼もうかな」
すっかりご機嫌で鼻歌でも歌いそうな勢いの宮野くんに完全敗北。
いくらマイペースでのんびり屋の宮野くんでもなめてはいけない、本気を出していないだけ。