「ああ、ごめんね、花乃」
私がぽーっと立っていたので、ゆいりんがショックで言葉を無くしたと勘違いしたらしく謝ってきたけど、まあ事実そうなので。
「気にしないで、私も舐めて苦かったから。また作り直しだ」
「頑張って、花乃。クッキーそろそろ焼けそうだから見てくるね」
ゆいりんはオーブンの方へ行った。
はぁ、どうして私はこんなにも料理を作るのが下手なんだろう。
料理を作るのが下手すぎるという、才能なのかな。
そもそも家庭科部に入ったのは裁縫がしたかったからで、刺繍が大好きな私はクロスステッチとかをいつもしていた。
てっきり裁縫が出来るのだと思っていたのだけど、まさか「基本的には料理やお菓子作りを行う」だなんて。
よく見れば手芸部もあった。
でも途中入部なんてしにくいし、まぁいいかと思い、そのまま。