そんなことで動揺してる私とは裏腹いつも通り、なはずの宮野くん。
私どうしちゃったんだろう。
名前を男の子に呼ばれたことがなかったから、なのかな。
別に嫌じゃないけど、なんか一気に距離が近くなった気が。
「かわいい」
「ふぇへ?」
違う、違う、いつもの宮野くんじゃない、全然。
いつもって言うほど宮野くんのことを知ってる訳では無いけど、私の知ってる中での宮野くんはこんなんではない。
私も、宮野くんも変だ、何かおかしくなっている。
「じゃあフライパンに油引くから流し込んでね」
油が引かれたのを確認した私は生地を流し込んだのだけど...。
「ちょちょっと、花乃ちゃん!入れすぎ!ストップストップ!」
さーっとなんの気もなしに流していたら入れすぎたらしい。
何やってんだろう。
それから火をつけるとしばらくたってぷくぷくしてきた。
「そろそろだね、裏返して」