それからキッチンの引き出しを開けて中から大きなボウルやフライパンも取り出した。
たまごもかなりの個数だし、いったいどんだけ作るのだろう。
「そんなにいっぱい作るの?」
「パンケーキタワーでも作ろうかな、って思ったんだけど」
通りでこの量なんだ、ホットケーキミックスといい卵といい...。
さっそく2人で作ることにした。
宮野くんの腕前が気になったけど、その前に私の下手すぎに幻滅されるのが心配される。
どうか焦げたりひっくり返すのを失敗したりしませんように、と祈りつつ、ボウルに材料を入れて混ぜていく。
隣では宮野くんが何やらチョコレートを溶かしている。
「なんか混ぜ方変わってるよね、花乃ちゃん」
ええ、?
ふと隣を見た宮野くんが微笑みながら普通に言った。
花乃ちゃんって呼んだ。
自分の頬が少し赤くなった気がする。
「そ、そそうかな?」