ふぅん、と意味ありげな笑みを見せたゆいりんに軽く微笑んだ宮野くん。
そんなテレパシーのように意思疎通しているのだろうか、私にはよく分からないけど。
「せっかくだし花乃、腕磨いちゃって、ね!」
「が、がんばる!」
ゆいりんに送られて、宮野くんと私は宮野くん宅へ向かった。
「宮野くんのお母さんとか、大丈夫かな」
そうそう、勝手に上がって困られたり、料理するとなるとキッチンも使うだろうから、迷惑かけたりしたくないし。
「大丈夫、お父さんは単身赴任中でいないし、お母さんは海外に長期で旅行中だから帰ってこないし」
僕一人っ子だから~とも付け足して笑った宮野くん。
そっか、なら宮野くんはいつも家に1人ってことだよね。