「うう、苦い……」
カラメルソースが苦すぎる。
私、清水花乃、家庭科部の高校2年生。
今は部活の時間で、部員は調理室にこもってスイーツやお菓子なんかを作っている。
私はプリンを作っているけど、カラメルソースをどうやら煮詰めすぎたらしい。
うん、実に苦い。
これは食えたものじゃない。
「はーなーのん!」
盛大なため息をついた時、同じ家庭科部の石部唯莉ちゃんが声をかけてきた。
私はゆいりんって呼んでいる。
「プリン作ってるの~?カラメルソースだ、舐めていい?」
苦いからダメ!、と言おうとした時にはすでに遅く。
「...に、苦っ!!」
ゆいりん、舐めちゃダメです。