「あいつ今日も宿題忘れてさ。また俺に泣き付いてくんだよ」



学校の敷地内、遠くに見えるナツメを視界に入れながら話す。


いつもと同じように俺の隣にいて声を弾ませてる寛太。




寛太がナツメを好きなのは知ってる。


だから話も聞いてやってるんだ。



でもなぁ、駄目なんだよ。もうこれ以上聞けねぇかもしれねえ。



自制心がないのかな、俺って。




罪悪感を感じながらも寛太の“あいつの話”に相槌を打っていく。