どういうことだ。そんなの俺、知らねえぞ?



「なんか……親の仕事の都合で大阪に」



克喜が若干焦りながらも、冷静な口調で言う。




なんでだ。


なんで克喜が知ってて俺は知らない?



俺は……澄香の彼氏だよな?




そんな話、まったく知らねえ。なんにも聞いてねえ。




克喜は気まずそうな顔つきで目を泳がせている。


俺になんて声をかけたらわかんねえんだろうな。



でも別にお前は悪くねえよ、気にすんな。