私の心を読み取ったのか、先輩は口を開ける。 「俺は」 「はい」 「俺は、お前が思っている以上にナツメが好きだ」 私が思っている以上?って? わかりづらいその言葉に眉を寄せる。 そんな私に気付いたのかどうかわからないけど、 「好きだ」 ストレートに心にぶつかる言葉。 しっかり胸に届いた。そしてそれは温もりに変わる。 先輩の腕に包まれて、あたたかい。