「……あ、ありがとう」と、反応の悪い寛汰は静かにそれを受け取る。 「じゃあまた明日ね」 鞄を持ってドアの方へと歩き始めた。 その日は、先輩がどこかで待ち伏せしているわけでもなければ、一緒に帰ることもなかった。 家の前にだっていない。 当たり前のことだけど。 なんか喧嘩みたいになっちゃったからなぁ。 べ、別にどうでもいいけど‼ あんな奴のこと考えるだけ時間がもったいない。