先輩が見てる。 でも、それでも。 なんだろう。この気持ちをどう言ったらいいんだろう。 寛太、ごめん。 私を助けてくれたのはいつも寛太だったのに。 それなのに私は、寛太を苦しめていたんだね。 今さら、わかった。 今さら。 「ほんとにっ、ごめんなさい」 「ひろ、せ……謝んなって」 「でも、だって、寛太が。私のせいで」 「廣瀬のせいじゃないって。俺が勝手に好きになって、勝手に諦めてただけ」