「……?」 寛太の袖の裾をキュッと握り締める。 そうしたら、なんだか私まで悲しくなった。 寛太の悲しみが伝わった? うん、それもある。 それもあるけど、違う。 「ぅっ……せん……ぱ……っ」 爽夜先輩が、どうしようもなく恋しい。 「なんでここでそいつが出てきちゃうかねー」という声がかすかに聞こえた。 私の頭をよしよしと撫でてくれる寛太。