「……廣瀬ー‼」 あれ、私を呼ぶ声がする。誰かが渡り廊下の下を走ってくる。 「……か、寛太?」 「……んなところで何やってんだよ」 「何って……散歩?」 「上履きのまま?」 「…………」 くう。何も言えない。 「アイツ……アイツ、名前なんだっけ? アイツがさ、走ってきて。ナツメ来てない?って焦ってんだよ。だから……探しにきた」 「……玲乃ちゃんのこと?あー、やっぱ悪いことしたなぁ、くそう」