記憶を巡らせていると、ピンと頭が冴えて辿り着いた。 先輩とデートに行った日─ 私がトイレから帰ってきたとき、先輩から遠ざかる美女がいた。 あの人だ。 その長い髪とか、その白い肌とか。あの時の綺麗な女の人だ。 「向こうの学校、秋休みがあって。また帰ってきてるの」 声まで可愛い。私なんか何も適いそうにない。 先輩とは一体どういう関係なのかな。