圭志は私の耳の横に手をついて、逃げ場を無くす。 「なんだっけ? ……あ、そうそう葛城だ。あんなやつなんかオススメしないよ?俺にしときな」 「……やっ」 圭志は片手で私の髪の毛をふわりと持ち上げて耳にかける。 あんた、爽夜先輩の何を知ってるの? なんでこいつ、先輩のこと知ってるの? なんでオススメしない、なんて意味のわからないこと言えるの? 何コイツ。 何なのこいつ。