「……ちょっと、どこ行くのナツメ?」 「――っ」 無視して教室に向かえば、腕を捕まれ動きを阻止される。 にっこり、気持ち悪い笑顔を張り付けながら、こいつは続ける。 「久しぶりだし、ちょっと話さない?」 「……なんで。あんたと話すことなんてない」 「俺はあるんだ」 「私はない」 「聞き分けの悪い子だ」 「…………」