「なんだよ、まだ用があんのか?うん?」 「いや、そうじゃないですけど……」 「全くかわいーなぁナツメは~。じゃあな~」 そう言ってがチャリと閉まるドア。 ちょっと寂しい、なんて言えなかった。言えるわけがない。 先輩の後ろ姿を見ると何故か切なくなる。 胸がきゅーっと締まって、喉に何かが詰まって言葉が出なくなる。 まるで私の体が“行かないで”って言ってるみたいで。