あの日のことを思い出して、何も言えなくなる私を先輩はじっと様子を伺っているようで。 ……やばい、涙出そう。 忘れようと、思い出さまいと、そう心がけて生きてきたけどやっぱり無理。 ふと思い出しては、全身が凍るように固まって泣きそうになる。 今でもあの感覚が蘇ってくる。 怖かった。 怖かった。怖い、怖いよ。 あんなやつと付き合わなければ。 あいつに元々彼女がいることを知っていれば。 あの日、あいつについて行かなければ。