「ある日、空き教室に連れ込まれて……」 私の話を黙って聞く先輩。 果たしてちゃんと聞いてるのかどうかわからないが、続きを話そうと試みる。 「それで……」 なかなかその先を言えない私。 「……っいきなり、押し倒されて」 今でも思い出すのが怖い。 かすかに震えているのがわかる。 「胸、とか……」 だめだ。 口に出すのが怖い。 あれを思い出すのが辛い。 あんな過去、消し去りたい。