「……廣瀬」 「……んー?」 「……廣瀬」 「……んー?」 教室に入ってもボーッとしていた私は、寛汰の声に気付いてはいるものの、曖昧な返事しかできない。 「廣瀬、疲れてんな」 「うん……まぁ」 「あいつとはどうなってんの?」 「……爽夜先輩?……よくわかんない」 「……なんだそれ」 はぁ、と溜息をつく寛汰を視界に入れながら呟く。 「私……先輩のこと好きなのかなぁ」