だれか別の女の人を入れて考えているんだ。 私じゃない。 先輩の未来に私はいない。 私の未来にも、先輩はいないんだ。 そんなこと、わかってる。 「結婚かぁー……」 何気なく、ぽつりと呟いた声は静かなこの部屋には十分すぎる音量だった。 「……どうしたナツメ」 「……ん」 先輩が私の肩を寄せる。 意外にも緊張しない私はどうかしてるよね。